DELL PowerEdge SC440にPCIe x16のグラボを載せてUbuntuを動かす(前置き編)

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先日上記エントリを見て、DELL PowerEdge SC440を衝動買いした。
CPUをIntel Core 2 Duoに変更、それ以外のオプションは無しで24,000円。
送料などはかからず。
注文から到着まで1週間くらいで、非常に満足。


上記エントリのコメントを読むと「サーバ用途のマシンなので、グラフィック機能が貧弱。デスクトップ用途にするならグラフィックカード必須」というような意見があった。
今回はSC440グラフィックカードを載せて動かしてみる。

SC440オンボードVGAUbuntu

まずはグラフィックカードを使わず、オンボードVGAで動かしてみる。


Ubuntuをインストールしたものの、画面が望みの解像度で表示されない。
L226WA-BNという1680x1050のモニターを使っているが、1680x1050を選択すると横方向に伸びて、左端が切れる状態。
1440x900までの解像度なら正常に表示される。


ちなみにSC440は、オンボードのグラフィックチップセットATI製。
そしてLinux用のATIグラフィックドライバは出来があまり良くない、という噂。


色々試してみたが、解決せず。
前のPCのオンボードVGAIntel製で、これも最初は解像度が低かったが、915resolutionというソフトのおかげで何とかなっていた。
今回もダメモトで915resolutionを入れたものの、「Intelチップセットではありません」と表示されるだけ。


ちなみにオンボードVGAUbuntu 7.10(GNOME)を使ってみたところ、遅くてとても快適とはいえない。

GeForceのグラフィックボードをSC440に取り付ける

オンボードVGAには最初から期待していなかったので、早速グラフィックボードを使ってみる。
たまたま手元にGIGABYTEのグラフィックボードがあったので、これを使えばどうにかなるだろうと思っていた。

PCI-Expressのコネクタ形状

思っていたんだが。
手持ちのグラフィックボードはPCI-Express(PCIe)のx16。
PCIeという規格はコネクタの形がx1, x4, x8, x16と数種類あり、物理的な長さが異なっている。


規格自体には互換性があり、たとえばx1のスロットにx16のグラボを挿しても動作するとされている。
しかし、コネクタの形が異なるため、挿すことが物理的に不可能なのだ。
(詳しくは:PCI Express - Wikipedia


さて、グラフィックボードはPCIeのx16。
現在手に入るほとんどのグラボがこれ。あとはAGPという規格。
いっぽうSC440マザーボードには、PCIeのx1, x4, x8がある。x16や、AGPは存在しない。
これでは持っているグラボが使えない。


しかし、先に書いたとおりPCIeは異なるコネクタ同士でも規格上の互換性はある。
したがって、コネクタが違っていても「無理やり挿せば」動く、らしいのだ。
そこで以下のような解決策がある。

  • マザーボードのPCIeスロットの邪魔な部分を削り、x16のカードを挿す
  • グラフィックボードのコネクタの邪魔な部分を削り、マザーボードのx1, x4, x8スロットのいずれかに挿す
  • PCIeコネクタの変換機を使う

つまり、物理的に挿せないのであれば、コネクタ側かスロット側のどちらかを削って挿せるようにしてしまう。
すると問題なく動作するというのだ。


個人的に、「コネクタの邪魔な部分を削って挿せば動く」というのは非常に驚いた。

PCIeの変換機を使う

PCIeのコネクタ削りに挑戦してる人は結構多いようで、検索すると記事がたくさん見つかる。
だが、工作っぽい作業に慣れていないので、コネクタ削りは却下。失敗して、マシンやカードを壊すのは怖い。


というわけで、簡単そうな変換機を使うことにした。
つづく。
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